原文 大豆 二斗へ、糀 一斗五升、塩 八升(但し売買の板付き糀を、揉みふぐし一斗五升まで) 右仕込み候月より十二三ヶ月目にて用ゆ。豆は蒸籠[せいろう]にて、ふかし仕込み申し候所、味噌の色、 薄きと濃きとは鎌倉にて製り候節、一度に八樽位仕込み候に付、豆ふかし加減に寄り、下の方に相製申し候処[ところ]、 又は一度に八樽仕込み候故、順々に御用に相い成り候故、取廻りに相い成り候方は色濃く相い成り候儀にござ候よし、 糀は麦糀にはござなく候、並糀[なみこうじ]に候えども糀も鎌倉にて出来候事故、 江戸町方にて出來候糀とは相い違うに御座候かの様鎌倉より申し来り候。(但し鎌倉町方にて出来候)