食菜録

下巻130

味噌漬大根の方

原文
冬大根、極く生分よろしき品を選び、大振[おおぶり]の所、生のまま極く辛塩にいたし漬け込み、五ヶ月座し置き、 その後水にて洗い上げ、日に干し上げそれより酒粕へ漬け込み置き、四、五十日指し置き、なお又た水にて洗い上げ、 日に干し上げ、先前の通り酒粕へ漬け込み、なお日柄相い立ち候得えば、右仕法にて三度まで、酒粕へ取り、塩も抜け候えば紅赤味噌へ漬け込み、 日数十五日も相い立ち候得ば用いて宜し。
(但し暑気に至り候えば、漬け込み候分、 穴藏〔地中に穴を掘って物を蓄えるようにした場所〕の様成る冷気の場所へ指〔差〕し置き申さず候ては風味変わり候事)

[主な食材]

大根
酒粕、紅赤味噌

備考:合類に記述無し