食菜録

下巻140

パン製法

原文
うどんの粉 茶碗に十、 生牛乳 同一つ、 焼酎 一つ、右を木鉢に入れ手にてよく捏ね、但し漸くに捏[こ]ねらるる程に堅き加減よろし。何れも同じ位に丸め、板の上にて棒にて蕎麦を打つ如く、 厚さ四五分、渡り五寸ばかりに丸く平に延べ、玉子焼の如き者へ入れ、但し胡麻の油引き、上下より文火[とろび]〔弱火〕 にて焼き(但し箸にて穴を開ける時は気漏れ早く焼けるなり)、程よく色付たる時、落し冷ます。食する時熱き湯に入れば、柔らかに成る。 壺に入れ目張りいたし置く時は、六、七年十年も貯に成る。軍用貯、船中などにて用い候にはしかるべく候得ども、 永く日本人常に用い候得ば大便の通じなどに如何これあるべきか。試さざれば知らず。

[主な食材]

小麦粉、牛乳、
焼酎

備考:合類に記述無し