食菜録

下巻194

鮒製法

原文
遠火にてあぶり水の出でざる位にまでにあぶり煮浸[にびたし]にいたし候事に御座候。煮法は大根の輪切りを下へ敷き、その上へ鮒を乗せ煮浸候わばよく煮え候程宜しき事、半日或いは一日大根煮え過ぎ候を厭わず候得ば〔一日も煮ると、大根が煮崩れするので〕、二時間程一旦冷し大根を取り替え、右の鮒を又た再び入れ替え煮え候事、前の如く開き候て串にさし、照焼又た塩焼にいたし候事も御座候。
(但しなます、ぬた等に製りし候事も候)

[主な食材]

鮒、醤油、
大根(鍋底一面の量)

備考:茨城県霞ケ浦地域の郷土料理に類似している。