原文 古酒燗鍋[かんなべ]へ入れ炭火にて沸し煮え立ち候わぬ先きに砂糖を入れ嘗[な]めて見申し候、事の外甘き程にいたし候、 酒粘[ねば]り候はば、酒を加え粘り候わぬように仕り候、梅干、水にて洗い一時程も水に漬け、塩気、酢気を少くいたし壺に入れ、 右の砂糖熱き内に梅干の上へ掛[か]け、梅干の隠るる程の加減に酒、多く入れ蓋をして、一夜も置き、明日給し申し候、 十日程も置き候得ば、酢気出で候て悪しく候、少しずつ細々[さいさい]仕り候。
備考:合類巻三では「梅干砂糖漬」。本文の表現に若干の違いあり。食菜録下巻104に類似名称。