原文 六月中に如何にも強き日の時分、四日も五日もよく乾し臼にてはたき、皮を取り、又よく細かにはたき、 絹篩[きぬふるい]にて濾[こ]し紙袋に入れ火をたく上に吊り置き申し候、湿り候えば苦味[にがみ]出来あしく候。 料理の時は一時も前かどに〔前もって〕如何にも〔かなり〕暑き湯にて煉[ね]り合わせ、息の出ざるように紙を蓋にして置き、 物に合わせ候時、取出し遣し申し候、酢の中などへ入れ候時は茶せんの蒲[ほ]にて振り立て申し候、 余り辛過ぎ候程にござ候、同じくは去年の芥子を仕てよし。
備考:合類巻一では「辛の粉」。本文の表現に若干の違いあり。