原文 "豆、一斗(よく煮て)、大麦 一斗(よくしらげ、炒りて引きわり〔挽き割り、 穀類を臼で粗くひくこと〕)、 小麦 三升(炒りて引〔挽〕きわり)右三食よくよく混ぜて寝させ申し候。 水 二斗(この塩水の中にてよくよく揉み砕き申し候) この塩水をよく煮やし、冷え候ほど二日も三日も、冷まし、仕込み申し候、その時糀[こうじ]八升入れ桶の中にて、 もみ合わせ一日に二度ずつ、攪[か]き申し候、五十日の間かくの如く仕り候。その後、中白米一升を水八升にて、粥に炊き、 この粥を入れ物いくつもにあけ、腐敗申し候わぬように成るほど早くあおぎ、冷まし冷え候時、右の醤油の中へ入れよく混ぜ、 その後も初めの如く一日に二度ずつ攪き、二十一日過ぎ候てあけ申し候。二番醤油は右の粕の中へ、水一斗、 塩五升前の如くせんじ冷まし候て入れ申し候、その時も、糀(こうじ)をも四升入れ、又た毎日二度ずつ攪き、 二十一日過ぎ又た中白米一升を水七升にて、粥に炊き前の如く冷まし、仕込み申し候、その以後も毎日二度ずつ攪き十五日過ぎて、あぐるなり〔完成させる〕。"
備考:合類巻一では「醤油の方」。本文の表現に若干違いあり。