下巻42
ちよよめんの仕様
原文
粳の上白米は焚き、粉にいたし、絹篩[きぬふるい]にてふるい、粳の粉四盃にうどんの粉一盃混ぜ、
山の芋の皮を取りよく摺りて右の粉を捏[こ]ね、蕎麦切の如くになりとも、
うどんの如くになりとも打ち申し候。茹で様は鍋に湯を立てその中へ少し混じる程に塩を薄茶二三服程入れかき回し、
右のちよよめんを入れ三返あがる程にてそのまま取り上げ、水へ入れ三返程水を替え申し候。温め候てその後湯を差し申し候。
尤[もっと]/も鍋の蓋を取り候て煮申し候わんに上水に入れ候ば、ねば切れ申し候。世間にちよよめんに糯[もち]米又は玉子等混ぜ候、
それは悪しく候。
[主な食材]
小麦粉、米粉、
山芋
備考:合類巻二では「薯蕷麺(じょよめん)」。本文の表現に若干の違いあり。
「蕷」・・・音読み:ヨ、訓読み:やまのいも
「原典現代語訳日本料理秘伝集成」第一巻(同朋舎,1985年) P.138によると
如く・・・ように
三返あがるほど・・・浮き上がるくらい
尤も・・・ただし
ねば・・・めん