下巻48

早作のあまさけの方

原文
粳米　七合、餅米　三合
右荒きほし飯程に引き割り、粉を篩[ふる]い取り、蒸籠[せいろう]にて、 酒飯のかんに蒸し申し候。但し蒸籠、めんめんにしてよし。
水　一升、　糀　一升五合
　この糀を右の水の中へ入れ、 成程〔可能な限り〕よく揉み出し粕[かす]を濾[こ]し、右のほし飯を入れ、砂糖桶等の如くに、はけ物をいたし、 それへ入れ鍋に湯を沸し、湯煎にして箸にて頓物〔ひたすら〕かき回し申し候。半時程の内には熱なり申し候。 その時甘酒になり申し候。惣別〔そもそも〕粳米、糯米[もちまい]蒸してほし飯にして置き候えば、何時にても甘酒にいたし申し候。