食菜録

下巻63

小まと納豆

原文
大豆 一斗(みそまめ程に煮てよし)、大麦 五升(よく搗き晒し炒りて引〔挽〕き割り)、 小麦(同断) 
右二色〔前述した二つの食材〕は豆煮え申し候時、衣にかけ、 但し醤油の如くに寝せ花付き申し候時、天日にて干し、豆ばりつき候う程干し作り込み、塩三升、 水七升、右は七升の水にて煎じ、よく冷まし翌日かき入れ、但し醤油作り込み候様にいたし、 よくよく堅く作り候故、桶へ入れ押し付け重り強く置き申し候、塩水上へ上る程置き申し候。 十月まで置き候て十月になり紫蘇の葉の入りて、からかわ〔辛皮? 山椒の木の皮?〕醤油〔山椒の木の皮が入ったしょうゆ?〕にて煮申し候。 生姜しなしなと干入れるなり。右納豆堅きからかわに申し候、醤油にてよくよく煮とき合わせ申し候。

[主な食材]

干し納豆、ゆかり、
粉山椒、生姜