原文 山出し昆布(京にて菓子昆布といふもの) 巾〔幅〕四寸ばかりの品なれば長さ五寸ばかりを一寸ずつ手にて引き裂き、鋏[はさみ]にて一寸四方に成る位に切り茶碗へ入れ、 梅干、一つ入れ熱湯を茶碗一盃つぎ蓋をして少しの内置けばよき加減に成る、人により一滴醤油を入れてもよし。 (但しなるだけ鋏、小刀等用いざる程 風味よし。 又昆布を水にて洗いては風味悪しくそのままがよろし。 又土瓶にて湯を沸し昆布を入れてもよろし。梅は入れず茶の如く色出る程に多く入れ気根〔地上の茎や幹から空気中に出る根〕 の薬又た通利〔排便〕によし、胸のやけるにもよし、常に用ふる時は髪をふやす)