原文 黒大豆 二斗(同じくは細かなる大豆よし)右の大豆しわのよる程はかし〔水気を飛ばし?〕、 さて桶の甑〔蒸籠?〕へ入れ、蓋を開けて五時[いつつどき]〔半日程度〕程蒸し候得ば、食い加減より少し過ぎ候程に成り候、 その後三時[みつどき]程そのまま甑に置き申し候、釜の下に火蔽[おお]い置き申し候、さて甑より取り出し、熱気を冷し糀三升入れ、 糀蓋へ一升ずつ入れ、攪き冷まし申さず候、室[むろ]へ入れ五時程置き、また取出しその時攪き冷まし、また室へ入れ、二日二夜寝させ申し候、 よく寝候て取出し臼にて米二割程はたき、とおしにて篩[ふる]い、蓆[むしろ]の叺[かます]に一斗ずつ入れ、 一日一夜また室に入れ置き申し候、さて取出し候えば、叺の中にて堅まり候を、揉み砕き、また篩[ふるい]候て蒸し申し候、 その時の蒸し様は桶こしきの底に大豆二斗程入れ、その上へ味噌、五度程に入れ申し候、一度に湯気、上へあがり候時、 随分押し付からぬように入れ申し候、この時も桶蓋をせずに、蒸し申し候上へ、よく湯気のあがり候て後取出し、 又とおしにて篩い物にひろげ、よく冷め申し候時味噌一斗に、塩一升か一升五合混ぜ、桶に手も壺にても押付け、 蓋をいたし置き申し候、夏冬共に同じ加減なり。同じくは冬の内に仕り候得ば、来年までも苦しからず候、夏は室へ入れ申さず候ても寝申し候。
備考:合類の表現とは大きな違いあり。より詳細である。