食菜録

上巻19

きじのすり汁

原文
雉を細かに切り、筋と骨とを取って、摺鉢に入れ、成程〔なるべく〕こまかにすり、 又酒を加え、摺り延べ、田楽味噌の加減にいたしおき、汁は納豆汁の如くにいたし候。葱をざくざくに切り、入れてもよし、 おおかた、煮たて候時分、納豆を入れ候ように、右の摺りたる雉を入れ申し候、雉のたくさんなるがよし。

[主な食材]

きじ、味噌、葱
酒、粉山椒

備考:合類巻四。合類には以下の一節がある。「鍋の内にて取り合い申さず候やうに入さまにしやくしにて能まはし申候。」