食菜録

上巻36

玉子ふわふわの仕様

原文
鶏卵を潰し、水醤油か、出汁醤油〔石島注、煮出し汁〕かを入れ常の如くふわふわに仕り候。酒を入れれば、悪しく候、酒を入れ候えば、鍋肌つよく焦げつき申し候。 また煎酒を加え候得ば、よくできた時分、鍋の中の、鶏卵に、あそこ、ここに、穴をあけ〔たまごのあちらこちらに穴をあけ〕、煎酒を水にて薄く延べ、上へつぎ込み、少し煮てよし。

[主な食材]

卵 4個、出し汁 3カップ、
塩 小さじ1/2、醤油 小さじ1、
黒胡椒 少々

備考:合類巻五では「卵ふわふわ」。本文の表現に若干の違いあり。
「原典現代語訳日本料理秘伝集成」第一巻(同朋舎,1985年) P.193によると
水醤油・・・水で割った醤油