食菜録

上巻44

塩鳥のかきあえ

原文
塩鱈にても、塩鯛にても、よくよく塩をおし、刺身の如くに作り、水にて洗い、鰹節を大きに削り、一つに混ぜ煎酒に酢を少し、水を加えて、膾の如く和[あ]え申し候。

[主な食材]

鯛塩漬、鰹節、

備考:合類巻五では、「塩魚のかき和へ」。
「原典現代語訳日本料理秘伝集成」第一巻(同朋舎,1985年) P.192によると
塩をおし・・・塩出しをして
名称は「塩鳥のかきあえ」となっているが、誤記であろう。鳥ではなく、魚の料理である。
松下幸子「江戸料理辞典」(相書房、1960年)によれば、かきあえとは
「薄塩の魚や貝を主材料にし、千瓜や蓼[たで]などを取り合わせて、短冊やせん切りにして器に盛り、
出す間際に酒に煎り酒を加えて塩で塩梅した調味液をかけ、さっと和えて出すもの。」とされている。