食菜録

上巻55

たこなんばん煮

原文
蛸を常の如へ〔く?〕洗い、板の上にて摺り、木にて、よくたたき、軟[やわ]らげ、心次第に切って、酒ばかりにて、 久しく煮候えば、成程〔なるべく〕、やわらかに成り申し候。その上へ、醤油をさし、又煮てその後取り出し、 心次第に切り、汁なしに座敷へ出し候。山葵[わさび]酢、生姜酢かけてよし。

[主な食材]

蛸、酒
醤油

備考:合類巻五では「蛸の南蛮煮」。
「原典現代語訳日本料理秘伝集成」第一巻(同朋舎,1985年) P.190によると
心次第・・・好み
酒ばかり・・・酒だけ
久しく・・・長い時間