食菜録

上巻69

正宗流生かいの料理

原文
雁にても、鴨にても、油皮を付けながら、成程〔なるべく〕、細く作り候、身の厚き所はへぎ候ても〔そいで〕、細く作り申し候。 鍋に、だし醤油、酢にても、酒にても、少し、これをさっと煮やし、よく煮え候時、火上をあけ、右の鳥を入れ候。 汁は、ひたひたの加減に、成る程に、初めに鍋へ入れ申し候、鳥を入れ候てよりは煮候わず候。 わさびを、たくさんに入れかき回し候。鳥いかにも薄く、細く候故、よい加減に、柔らかに煮え申し候。

[主な食材]

鴨、出し汁、醤油
酢、山葵

備考:合類巻四では、「鳥生皮の料理」。