原文 新しき鮭、拾〔十〕本に付、塩一斗、水一斗を桶の中に入れ、よく揉み砕き、塵[ちり] を、漉[こ]して取り、この水一斗になり候ほど、煎じ、よく冷まし、冷え候時、この水の中へ、鮭をつけ申し候。鮭の腸[わた] をとり、子少なくば、他[よ]の子を混ぜ、子の抜けぬように、腹もの所を糸にて縫い、右の水の中へ、七日七夜付け、その後、鮭を取りあげ、 三所ほど、細縄にて結い候ても、又くるくると、如何にも、荒く巻き候てもよし、口にも縄をつけ、日かげにつるし申し候。 柔らかにいたし候わんと存じ候えば、十日程にてもよく候、かたくいたし候には二十日も、三十日もつるし申し候。
備考:合類巻四。