食菜録

中巻3

粟餅の仕様

原文
粟を臼にてはたき〔搗き〕、あら皮を取り候て捨て申し候、その後、石臼にてひき、絹篩にてふるい、餅米(寒ざらしの粉)を、三つ一分混ぜて ばらばらにこね、蒸籠[せいろう]にてよく蒸して、臼に入れつき申し候。さて小豆にても、豆の粉にても取り申し候。

[主な食材]

粟、餅米粉、枝豆、
きなこ、小豆、さらしあん

備考:合類巻二では「栗餅」。合類巻二の記述は以下の通りである。
「栗餅の方栗を臼にてはたきあら皮を取捨其後石うすにて挽絹ふるひにてふるひ餅米の粉寒さらしにして 三ツ一分まぜはらはらにこねせいろうにて能むし臼ニ入つき小豆にても大豆の粉にても取申候。」

「原典現代語訳日本料理秘伝集成」第一巻(同朋舎,1985年) P.128によると
三つ一分・・・三分の一
ばらばらに・・・ぽろぽろの状態に