食菜録

中巻7

とち餅の仕様

原文
餅米 一升、栃の粉 三合(栃を毒[あく]を取り、粉にはたく) 右餅米を、さっと湯煮をして、笊[ざる]へ上げ、栃の粉をふりかけ、 混ぜ合わせ、水を注ぎ、手に握り候えば、手の内にて、固まり申す程に、水を注ぎ申し候。 その後、よく蒸して常の餅の如く、つき申し候、蒸し加減は、成る程〔可能なかぎり〕よく蒸したるがよし、つきたてをそのままも、食べ申し候、 又かき餅も仕り候。

[主な食材]

栃もち

備考:合類巻二。本文の表現に若干違いあり。栃餅。
「原典現代語訳日本料理秘伝集成」第一巻(同朋舎,1985年) P.128