下巻1
味噌の方
原文
大豆 一斗(白水に半日程漬け、その後米を、加す〔干す〕ように仕り候えば、上の皮とれ申し候、その後よくよく蒸し申し候)
糀 一斗、塩 三升三合、餅米、五合
(ただ中白米の時はかり、強飯に、蒸してよく冷ます)
右の大豆よく蒸[む]せ候時、とり出し常の如く、搗[つ]きいまだ暖かなる内に一ト握り〔ひと握り〕
ほどずつに玉にして一日一夜ほど風に当て、その後刀にて、細かに切り申し候。次第に乾き申し候わば、
右の糀[こうじ]塩には食を混ぜて、臼にてよくよくつき申し候、いまだ濡れ気ござ候わば、薄くさかし、陰干しにして、
少し乾きめに成り候時、桶へ入れ候、桶の内へも下からよくつき込み申し候、上に紙を蓋[ふた]にして置き候、
右の塩の外には一切ふり塩も仕らず候、同じくは小さき桶にいくつも入れてよし、三十日過ぎ候得は熟れ申し候、
右の味噌いつにてもこしらえども、同じくは寒の内にいたし、来年の又寒までつかい申し
候。
備考:合類巻一では「御膳味噌」。本文の表現に大きな違いあり。