食菜録

下巻133

水府浜焼鯛製法

原文
さて焼立方の儀は、舟より帰るや否や腹を抜き背へ刀を入れ、その所へ塩を詰め、又大鯛一枚へ、塩二合、中へ一合五勺に一合位の割を以て立塩〔たてしお:魚介類を洗ったり、材料に塩味を付ける場合に使う塩水のこと*1〕にいたし、 一夜漬け置き囲爐裡[いろり]を構え、渡し鉄いたし、鉄網へ載せ焼き立て片面焼け候後、又た外の鉄網を当て打ち返し、堅炭火にて焼き立て申す儀に御座候。

[主な食材]

備考:合類に記述無し
*1 中村幸平著「新版日本料理語源集」より引用