食菜録

下巻15

当座作の忍冬〔すいかずら〕酒の方

原文
焼酎 二弁
忍冬*1[すいかずら] 一両(但し干して)
いばらの花 一両(但し干して)、
龍眼肉〔喬木の実の果肉〕 百粒
 肉桂[にっけい]〔シナモン〕 一両(皮を去り刻む)
右の薬を焼酎に浸し、二七日〔十四日〕程過ぎて口を開け味淋酎を心次第さし申し候。

備考:合類巻一では「忍冬酒」。本文の表現や作り方、材料に大きな違いあり。
合類では、肉桂と味醂酎などは材料となっていない。
*1:別名は吸い葛であり、葉を付けたまま越冬するその耐え忍ぶ姿が名前の由来
「原典現代語訳日本料理秘伝集成」第一巻(同朋舎,1985年) P.10⑤