原文 瓜白(但し唐瓜[からうり]にても青瓜にても白瓜にても漬け申し候。熟[うみ]たるは悪しく候。) 水五升に塩六升三合、よく揉[も]み砕[くだ]き一淡[ひとあわ]煎じ冷え候ほど冷まし、 瓜を先にこの水に漬け申し候、爪の後先[あとさき]を少しずつ切り候て中へ穴を開け申し候、又雨の切り小口より中こ (石島注 種子)を取っても漬け申し候、又二つ割にしても漬け申し候、百の瓜を桶に並べ重ね、 右の塩水を入れて押しを置き二日そのままに置き申し候、三日目には押しを少し緩め申し候、四日目に押しを取り、 漬汁にて洗い、又三日天気に干し申し候、その後又三日陰へ置き、熱気を冷まし粕[かす]に漬け申し候、 酒の粕堅くば酒を加えしるりといたし漬け申し候、瓜の摺れ合わぬように粕をたくさんに入れ申し候、右の塩水にて赤土を堅く捏ね、 南良漬[ならづけ]の上に五寸も六寸も蓋の心に塗り申し候。