食菜録

下巻38

大根のむし竹仕様

原文
竹の子、真竹[またけ]なりとも、淡竹[はちく]なりともいかにも新しきを皮をつけながら煮立てて置き、馬の食べ候糠を釜の中へ入れ、 竹の子の転び候わぬように詰め、水を釜八分目程入れ、釜の上に桶を蓋にいたし、息出で候わぬようにして二時も三時も火をそろそろと蒸し煮候。 煮え申し候釜の口一ぱい程、竹の子立て候てもなおよく候、五十本百本にても成り申し候。よく蒸せ候時、取出し板の上にて押しひしぎ申し候。 その後立て掛けて滴を垂らし置き申し候。十日二十日それより日数多くも悪しく候上に、 黴[かび]候ても中は少しも苦からず候。料理候時はそのまま和[あ]えて、刺身、煮物にも汁にもよく候。

[主な食材]

竹の子

備考:表題の「大根」は「合用日曜料理抄」にはなく、引用原文にも大根の出番がないことから誤記と思われる。
合類巻三では「蒸茸の方」。本文の表現に若干の違いあり。
「原典現代語訳日本料理秘伝集成」第一巻(同朋舎,1985年) P.167によると
息出で候わぬ・・・湯気が出ないようにして 二時も三時も・・・4時間も6時間も