食菜録

下巻81

玉子酒下戸口

原文
一、玉子 八つ、砂糖 小茶碗に三つ
 酒 小茶碗に二つ半、水 小茶碗に十斗、又玉子 四つ、砂糖 猪に二つ、水 同四つ、酒 同一つ半
 右土鍋へ水と砂糖と玉子と入れて火に掛けよく攪[か]き回し煮え立ぬ前に下す、甚だしく煮え立つ時は玉子は堅まりてふわふわの如く水と別々に成るなり。
(泡の消えぬ内に下すを〔口〕伝とする、又た早く下す時は玉子生にて悪しく候、この加減口伝なり。 )
同 上戸口
 一、玉子 七つ、砂糖 二つ、水、五つ、酒 三つ(但し強き婦人は酒の分量を増すのみなり)