食菜録

上巻17

松前焼 くじらの料理

原文
焼き鯨を短くいたし候〔小さく切り〕、三日ほど水に漬け、よくよく水を再々に替え申し候、三日、四日過ぎ候えば、やわらかになり申し。 その時薄く切り、鍋に糠味噌をたて、煮申し候。よく煮え候時、刺身にも、汁にも仕り候。まず、ふだん右のこしらえにいたし、 糠味噌にて鯨を水にて洗い、ざっと日に干して置き候えば、久しく置き候ても苦しからず候。用の時はぬる湯にて、 ほどはがし申し候、急の用にも立ち申し候。

備考:合類巻五。

[主な食材]

鯨、糠味噌