食菜録

上巻26

たたき鮑

原文
鮑の上、香色なるがよし。貝殻を離し、腸[わた]を取り臼にて搗きてよし。又た板の上にて摺り、木にて敲きてもよし。その後田楽*1の如くに焼きて、煮物にてよく御座候。

[主な食材]

鮑、木の芽味噌、木の芽
白味噌、ゆず、赤味噌
けし、酒、味醂

備考:合類巻五。表現に若干の相違がある。
*1 豆腐、里芋、こんにゃく、茄子、魚などを短冊状に切って竹串にさし、練り味噌を塗ったもの。(中村幸平著「新版日本料理語源集」より引用)
「原典現代語訳日本料理秘伝集成」第一巻(同朋舎,1985年) P.191