食菜録

上巻27

鳥のほろみそ

原文
寒の内に雉、鳩にてもその外、小鳥にても身はいかにも、細かに作り、骨はなるほど細かにたたき、味噌よく摺りて、酒と水とにてゆるゆると延べ、鳥と、味噌と等分に混ぜ、鍋へ炭火をゆるくして、そろそろとかき回し煮るなり。若山椒、黒胡麻、その外何にても加え申し候。二時も三時もいかにも、しずかに煮あげ申し候、油断なく焦げぬように仕り候、その後、ぼろぼろと成り申し候。おおかた水気、乾き申し候時分、取り上げ申し候て、よく冷まし、壺へ入れ置き申し候。来年夏までも、こたへ申し候。

[主な食材]

鳥ひき肉、味噌、
山椒、黒ごま

備考:合類巻四では「鳥法論味噌」。
「原典現代語訳日本料理秘伝集成」第一巻(同朋舎,1985年) P.185によると
なるほど・・・できるだけ
二時も三時もいかにも・・・四時間から六時間以上も