食菜録

上巻49

なまこほそづくり

原文
海鼠を、二つ三つにへぎ、成程〔なるべく〕、細く作り、酒にて和え、その煎酒を捨て申し候、粘りを取り候わんためなり、又他[よ] の煎酒を掛け、一遍[ぺん]和[あ]え候えば、さらりとなり申し候、山葵[わさび]を入れ、はな鰹〔削り節の一種、鰹節を薄く削ったもの*1〕、上[うわ]置きに仕り候。但ぬる湯にてさつと洗い候へばねばりとれさらりと成よく候。

[主な食材]

なまこ、酒、煎り酒
わさび、糸かつお

備考:合類巻四では「生海鼠細作り」。 この料理は別名「海鼠湛味」=「こだたみ」ともいう。
*1 中村幸平著「新版日本料理語源集」より引用
「原典現代語訳日本料理秘伝集成」第一巻(同朋舎,1985年) P.180によると
一編・・・もう一度