原文 葡萄のよく熟し候時、葡萄の房[ふさ]共[とも]に漬け候、房を持って振り見申し候、粒の落ち候分は除[の]け申し候、 房に二つ三つずつ付け候て漬け申し候。水にて洗い候わば、水気[みずけ]の乾き候ように日に干し申し候、水気の酒に入れ候得ば、 色悪く成り申し候。古酒 一斗、白砂糖 二升五合 塩(摺鉢にてよく摺り如何にも少く入れ候、 少し塩気あるかと思え候程の加減なり) 右壺に入れ葡萄の擦[こす]り候わぬ加減程に漬け申し候。
備考:合類巻三では「ぶどう漬」。本文の表現に若干の違いあり。