下巻94
時雨餅拵方
原文
一、小豆 一升 白砂糖 一斤余
こし餡にいたし、固くしぼり、うる米三合程粉に挽き、右の品よくよく揉み合わせ、蒸籠[せいろう]へ木綿切れ一重[ひとえ]敷きその上へ金篩[かなふるい]にて裏より、うぐいす〔飯匙〕又は杓子にてよく撫で候得ば、細かによれ候ようになり残らず落ち申し候、それをそっと撫で平にいたし、その上へ豆一つ乗せ、ふかしその豆軟らかに成り候得ばふけ候事。
又の法
一、小豆 一升、白砂糖 一斤半、粳米 二合半、右にてもよろしく、尤も小豆杯はその時に出来かけにて多少もござ候事故、砂糖、米もその時の様子にて入れ候事。
[主な食材]
こしあん、米粉、
山芋、砂糖
備考:『彰往考来』では食菜録特有の料理であると、推測している。